【リフォーム】玄関増設のあれこれ!完全分離型二世帯住宅の玄関
増設とは、今あるものに加えてさらに設置するという意味です。
玄関が1つだけというお宅がほとんどだと思いますが、おうちにもう一つ玄関を増設する方法をご紹介します。
例えば二世帯住宅へリフォームするときに、キッチンや浴室だけでなく玄関も増設して2つにする選択肢もあるんですよ。
完全分離型の二世帯住宅へのリフォームは大規模な工事になることが多いですが、今回は玄関に焦点をあてて、玄関を2つにするとしたらどのように増設していくのかを考えるお手伝いができればと思います。
二世帯住宅で玄関を増設して2つにする意味
二世帯住宅の場合、玄関を増設して2つにすることにより外出・帰宅の動線を分けることができます。
家に占める玄関スペースの割合が高くなるため、居住スペースが狭くなるという唯一の欠点はあるものの、過干渉を防ぎ、生活パターンが違ってもお互い気兼ねなく暮らすことができます。
友人を招きやすいし友人側も足を運びやすいというメリットもあるんですよ。
玄関の増設スペースの確保という課題はやはり気になるという方もおられると思いますが、その対策についてはリフォーム例とともに記事後半に載せていますので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
リフォームで玄関増設する場所
完全分離型の二世帯住宅は、区切り方によって縦割り方式と横割り方式に分かれます。
それゆえに住宅において玄関の増設を施す場所は、縦割り方式の二世帯住宅の場合は1階、横割り方式の二世帯住宅の場合は2階になります。
- 縦割り方式:内壁で完全に分離された、まるで長屋のような2棟にも見える住宅
- 横割り方式:二世帯が1階と2階に分かれて暮らす住宅
どちらにもそれぞれの良さがあります。その反面、どちらにも困った点があるので次で考えていくことにしましょう。
【リフォームで玄関増設する前に】方式別のメリット・デメリット
完全分離型の二世帯住宅における方式別のメリットとデメリットを表にまとめましたのでご覧ください。
縦割り方式 | 横割り方式 | |
メリット | 同居というより隣人感覚で適度な距離間を築きやすい。 | 縦割りよりリフォームしやすく費用の調整がつきやすい。 |
デメリット |
・間取りの大きな変更が必要なので費用がかさむ。 ・縦で分割するのである程度の土地面積が必要。 ・親世代の階段昇降が将来的に問題となってくる場合がある。 |
・生活音や振動による問題が発生しやすい。 ・風雨にさらされる外階段はメンテナンスが必要。 |
経済面で助かる横割り方式の二世帯住宅へのリフォームは、とても魅力的ですがデメリットにある生活音や振動による問題というのが気になりますよね。
親世代と子世代では生活リズムが異なる場合が多く、生活音が響くことでストレスの原因になりやすいです。
洗濯の時間帯に配慮したり、テレビの音量を下げたり、そ~っと歩いてみたりしても限界があり、対処しきれない場合があります。
ではハード面で考えることにしましょう。対策にはどのようなものがあるのでしょうか?
生活音は上下階の間取りの取り方や遮音対策によって軽減することができます。
具体的には
・床に防音カーペットを敷く。
・床や配水管周りへの吸音材の使用。
・キッチン、浴室などの水回りの間取りは上下階で同じ位置にそろえる。
などです。
間取りを上下階で合わせると配管がシンプルになりコストダウンにもつながります。
次にもう一つの振動についてですが、歩行など人の行動から発生するのが主なので、床への防振ゴムの使用で軽減できます。
方式別のメリット・デメリットや取れる対策についてお話しました。あなたならどの部分に惹かれ、どうリフォームを実現させたいですか?
リフォーム準備として皆でしっかりと話し合いましょう。
「親世代・子世代全員で話し合いを重ねることは、リフォーム成功のためには決して欠くことができない」ということを忘れてはいけません。
リフォームによる玄関増設はどんな工事?
玄関の増設についてイメージを膨らませるために増設工事の内容を紹介します。
1階に増設する場合と2階に増設する場合で必要な工事が異なってきます。
1階に増設する場合の工事内容
- ドア取り付け
- 床・壁・天井の補修
- 土間・タイル・クロス工事
- 収納の作成
2階に増設する場合はこれら上記に加えて外階段の設置が必要となります。
増設リフォームの費用相場は1階玄関の場合だと50万円前後、2階玄関の場合は100~200万円です。
かなりの価格差がありますが、外階段をどういうものにするかどうかで変わってきます。
例えば、あらかじめ形状が決まっている既存のメーカー品を取り入れるか、一から造る特注品を選ぶかで大幅に費用が異なるのです。
引用:パナソニック リフォーム
住宅の外階段の施工例です。
アルミ製なので錆びにくく傷みにくい特徴があります。
短所だった外階段の劣化に対するメンテナンスも楽に済みます。
次は玄関リフォームのデザイン例です。
序盤でも述べたように、そもそも住宅に玄関を2つ持たせるには居住スペースが狭くなってしまう覚悟が必要になります。
しかしそれはある部分の工夫により、玄関の内側スペースが少々狭くても最大限広く使えるような作りにすることができます。
引用:リノベる
その鍵は"上がり框(かまち)"にあります。
上がり框は、内と外とを分けるための段差に取り付けられた横木のことをいいます。
写真にある玄関は、この上がり框を斜めに設けることで土間を広く見せ、靴の脱ぎ履きに十分なスペースができています。
他にはカーブ状やコの字型など空間を有効活用できる多種多様な形状にすることができます。
僕はこのことを初めて知ったとき、壁に対して垂直につけるという当たり前のことが当たり前じゃなくなっているという発想に感動しました。
リフォーム 玄関増設時の注意点
次に玄関増設の際の注意点をお話します。
1階・2階いづれの場合も当てはまりますので良かったら参考にしてください。
◆増設する位置はご近所さんの迷惑にならないようにする。
これからも永く住むためのリフォームです。
トラブルを避けるためあらかじめ相談しておくほうが無難です。
◆ドア開閉時のスペースを確保する。
ドアの開閉によって人がドアをよけるスペースも考える必要があります。
スペース確保が難しい場合は引き戸を考えます。
最近は洋風の家でもマッチするデザインのものもたくさんあります。
これまでの話からあなたのお宅の玄関イメージは湧いてきましたか?
2階の場合は外階段の設置が必要になることをお話しましたが、たくさんの荷物を持っている場合や小さなお子様連れとなる場合だと外階段の利用は大変ですよね。
日常生活の流れを十分に確認し、結果として満足できるようリフォーム内容を決めていきましょう。
◆忘れてはいけない!建築確認申請
さいごに、+αとして建築確認申請のお話をしたいと思います。
建築確認申請とは、予定する工事が建築基準法や都市計画法などに適合するかを工事前に公的な機関に審査してもらう制度のことです。
この制度が義務付けられることで災害があっても人命が守ることのできる強い建物を作られることが担保されています。
リフォームの際の建築確認申請は、一般的な木造2階建ての住宅であれば不要な場合がほとんどです。
木造3階建てや鉄筋2階建ての住宅では、大規模な工事を行う場合に原則確認申請が必要になります。
申請書により確認を受けて確認済証が交付されれば工事が始められます。
もし確認申請を行わず工事を進めてしまった場合、工事途中でも中止せざるを得なくなることもあります。
建築確認申請について概要をお話しましたが、本当に確認申請が必要なのかどうかは素人の判断だけでは難しいです。
確認申請のための書類をそろえるのも非常に骨の折れる作業になってきます。
確認申請も含め、経験豊富で信頼できるリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。
リフォームで玄関増設まとめ
今回のまとめは、このようになります。
・完全分離型二世帯住宅へのリフォームは玄関の増設が必要。
・スペースがあれば玄関増設はできる。
・玄関増設により二世帯間でお互いに気兼ねなく生活できる。
・縦割り方式の二世帯住宅にしたい場合は1階に、横割り方式の住宅にしたい場合は2階に玄関を増設するとよい。
・建築確認申請が必要なリフォームもあるのでプロに依頼してしっかりと確認する。
最後までお読みいただきありがとうございました。
玄関増築の費用については、こちらをご覧ください!